「ヴェニスの商人」の東アジア経済圏:日経ビジネスオンライン

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伊東 乾の「常識の源流探訪」は、幅広い領域から日本の今を読み解く視点を与えてくれる

筆者の伊東 乾さんは、東京大学大学院物理学専攻博士課程終了という異色の作曲家=指揮者だ。


今回は、中国・インドが台頭する中で、日本がどういう生き方をしてゆくべきかのヒントを「ヴェニス」に求めている。そういえば、ローマ人の物語塩野 七生さんも、日本はローマよりベネツィアから学ぶべきだと説かれていた。

伊東氏の思いとしてはこうだ 

東京都23区のどこよりも小さな小島に、同時代の全欧州を合わせたより多くの財貨が集中した事実。~~中略~~すべては島の外から齎され、そこで価値が付与され、また外に出ていく。ただ、この「ヴェネツィア」というプリズムを通過することで、決定的に品質が保証され、物品に圧倒的な価値が付与されて、その対価:「価値」~貨幣などだけが、ほかに産業の少ない島にうずたかく蓄積されていく・・・。

で、その答えは

単なる経済性を超えた文化的な価値性、圧倒的なヘリテージ(遺産)が、ヴェネツィアをヴェネツィアたらしめた

全「東ローマ帝国」版図、さらにはイスラム商人を含む、広大にして肥沃な東方世界が、自分たちと話が通じ、信頼できる唯一のカウンターパートナーとして、ヴェネツィアだけを排他的に選んだことが極めて重要な意味を持ったと思われるのです

共存共栄が可能なエリアを広く持ちながら、そこで圧倒的なブランド性、とりわけ技術力をもって実体的な価値を創り出し、その誘引力によって広大な地域の物品が集中し、また広大な地域に価値を還元できるような「扇の要」結節点(Node=ノード)の役割を果たす、そんな「島国」のあり方が考えられないか

つまり、異質な文化をつなぐ役割を担おうというという提言である。思い起こせば、日本はアジアにありながら、欧米の文化をいち早く取り入れたというだけではなく、もっとも成功した社会主義とも言われたのだ。世界でも有数の、富める人と貧しい人の格差が少ない国だった

仮に世界が、欧米中印の四極時代を迎えたとしたら、アジアの多くの国はどんなポジションを取ろうとするだろうか? 中国に擦り寄るのか、したたかに距離をとるのか? ベトナムは日本に少なくない期待を寄せているようだ。中国とまともにぶつかっては、過去の歴史の繰り返しになる。日本にとっても、ベネツィアから大いに学んで、生き方を考えるタイミングなんだとまたしても考えさせられた

 

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このページは、鈴木利和が2009年10月 6日 16:57に書いたブログ記事です。

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